わくわく

歩いたところ

ベルガモ・マラソン

「ドスン」と、鈍い音を立てて、私の50Lのバックパックはツルツルの床に着地した。「すぐ戻ってきますから!」と言って走り去る私の後ろで、「僕をそんなに信頼してくれるの!」と、私に向かって大きい声を出しているのは、制服を綺麗に着こなすイタリア人...
やってみたこと

サラサがサルサ

「目を閉じてごらん。」綺麗なグレーの髭を蓄えた彼は、うろたえる私に優しく言った。サルサをちゃんと踊ってみたいと初めて思い、バルセロナのサルサ・クラブに1人、緊張しながら足を踏み入れた。それまでにも、友達と訪れたクラブで偶然サルサ音楽が1曲か...
やってみたこと

ユリタへ弟子入りヒッチハイク

行き先は、同じ方向かも、と思ってもらえるよう、できるだけ大雑把に書くことどんなに長い旅でも、ずっとエンターテイナーになることその日の寝床や乗り継ぎの車が見つかりやすそうな場所があれば、たとえもうちょっと先まで乗せてもらえるとしても、降ろして...
思ったこと

安定的に不安定

嬉しいことに、たまに「ジブリ映画に出てくる女の子みたい」という褒め言葉をいただくことがある。中でも「すごく似ている」と言われたことがあるのが、アリエッティ。このウェブサイトの名前を考えていたとき、国を問わず、色々なところの暮らしや旅の話を書...
歩いたところ

「ねぇ、ガラパゴス行かない?」

新しい街に行くごとに、SNSに写真を投稿しながら、メキシコ、キューバ、グアテマラへと1人気ままに南下していると、年明けになって突然、投稿を見た久しぶりの友達からメッセージが来た。スイスの高校留学中、山の中での林業ボランティアをしたのとき、1...
歩いたところ

ニューヨークのタクシスタ

「ネフェルティティだねぇ。」エジプトが好きな母は私が荷物を開けるとすぐに、金ピカのお皿に描かれた女性の横顔を見てつぶやいた。その日、ニューヨークから荷物が届いたと母から連絡を受け、仕事帰りのその足で、駅から家の間にある母の営む喫茶店を目指し...
やってみたこと

3100m、山小屋暮らし

8月だけど、まだ蝉も鳴き始めない、朝4時47分の静かな大磯駅。私は大きなザックを背負って東海道線の始発電車に乗り込んだ。それにしても慌ただしい2週間だったと振り返る。卒論を提出して、4日後には段ボール3箱にほとんどの荷物を詰めて宅急便で実家...
歩いたところ

習近平とブランコ、そして綿あめの罠

「これが首都の空港かぁ。」 ネパールの首都カトマンズの国際空港は、かつて通った小学校の中庭を思い出させる赤茶色のレンガ作りで、こじんまりしており、なんとも可愛らしい空港である。 空港の出口へ向かうと、シベスさんが優しい笑顔で私を出迎えて下さった。
歩いたところ

サガルマータが見たくて

2019年10月11日の金曜日。時刻は夕方の5時。いつものように定時で仕事を終えた私は、ソワソワとロッカーへ向かい、ジャケットを脱いでハンガーにかけた。ロッカーの中には寝袋と登山リュックに登山靴。コソコソと女子トイレで登山服に着替え、ハイヒ...