ほっこり

歩いたところ

神に何語で祈ろうか

「神様に何語で祈ったらいいんだろう。英語かフランス語の方がいい?アラビア語でもいいのかな?」そんな質問を真面目な顔でされたのは生まれて初めてであった。思わず私は大爆笑。お腹を抱えて、息が苦しくなるくらいに笑ったのは、かなり久しぶりだった。そ...
歩いたところ

アラブな借り暮らし事件簿

歩くのが大好きな私は、ロンドンに暮らしていたときよくオックスフォード通りを、ホルボルンからソーホーを抜けてハイドパークまで歩いた。東京に例えるなら、恵比寿から渋谷を経由して代々木公園に歩くのと距離的にも、街並み的にも、そんなに遠くない。この...
歩いたところ

ニューヨークのタクシスタ

「ネフェルティティだねぇ。」エジプトが好きな母は私が荷物を開けるとすぐに、金ピカのお皿に描かれた女性の横顔を見てつぶやいた。その日、ニューヨークから荷物が届いたと母から連絡を受け、仕事帰りのその足で、駅から家の間にある母の営む喫茶店を目指し...
歩いたところ

タージマハルでモンゴルうどん

その日はインドに来て6日目。デリーの友達の友達の家を暗いうちに出発し、アグラにやってきた。目的は、ムガル帝国の5代目皇帝シャージャハーンが最愛の女性のために作ったお墓「タージマハル」を見物するためである。ギリギリになって予約した電車は安い座...
思ったこと

バーニーさん家で考える豊かな暮らし

高校生の時、「すごくかっこいい先輩がいる」という不純な動機でワンダーフォーゲル部に入った。母にはそんな理由は到底言うはずもなく、その頃ちょうど「山ガール」という言葉が使われ始めた時期だったため、母は「また流行にのって。ミーハーなんだから」と...
歩いたところ

習近平とブランコ、そして綿あめの罠

「これが首都の空港かぁ。」 ネパールの首都カトマンズの国際空港は、かつて通った小学校の中庭を思い出させる赤茶色のレンガ作りで、こじんまりしており、なんとも可愛らしい空港である。 空港の出口へ向かうと、シベスさんが優しい笑顔で私を出迎えて下さった。
歩いたところ

モロッコのベルベル村

私はモロッコでは絶対にサハラ砂漠に行こうと決めていた。大好きな星の王子様の、あのサハラ砂漠。20歳になったばかりの、大学2回生の夏休みで、それは私にとって人生初のバックパック海外旅行でもあった。高校生の時スイスへ留学した時の友人やお世話にな...
歩いたところ

エンパナーダ売りのハイメさん

2018年の元旦を迎え、考えていたよりもゆっくり過ごしたニカラグアを去り、隣の国コスタリカへ向かう。コスタリカでの目的は、首都に住む友人の友人、ブライアンを訪ねることのほか特に決めてはいなかったが、ニカラグアで偶然バスに乗り合わせて仲良くな...
歩いたところ

ジャワ島の端っこで

その日私は、16時にマランの駅を出発し、電車に揺られていた。泊まっていた宿で知り合った地元民、ダシムンおじさんと「ラウォン」という、とびっきり美味しい牛の膝小僧のスープを食べた後、一緒に散歩していた町中の公園ではぐれてしまい、かなりのこと探...
歩いたところ

モーレア島の女の子

モーレア島にフェリーで到着したとき、わたしたちはどこに行こうか決めてはいなかった。タクシーに乗って船着き場とは真反対にある、マンタと泳げることが売りのプライベートビーチへ入場料を払って入るか、それとも船着き場から歩ける距離にある公共のビーチ...