歩いたところ

ニューヨークのタクシスタ

「ネフェルティティだねぇ。」エジプトが好きな母は私が荷物を開けるとすぐに、金ピカのお皿に描かれた女性の横顔を見てつぶやいた。その日、ニューヨークから荷物が届いたと母から連絡を受け、仕事帰りのその足で、駅から家の間にある母の営む喫茶店を目指し...
やってみたこと

南半球、船乗り通訳生活

大学生の時、定期的に、「フランス語 求人」とか「スペイン語 求人」とかインターネットで検索していた。別にアルバイトを探していたわけでもないのだけれど、それは多分、自分の持っている能力だったり、その能力を必要としてくれる場所や人がいることを確...
歩いたところ

ラマイルチャ!アナンダチャ!

ネパール語で「楽しい!」「気持ちいい!」を意味するこれらの言葉。ガイドのデンディさんに教えてもらってからというもの、ルクラ(2860m)から、カラパタール(5644m)、エベレスト・ベースキャンプ(5364m)まで歩き、山を降りるまでの10日間で、何度叫んだことだろう。
歩いたところ

タージマハルでモンゴルうどん

その日はインドに来て6日目。デリーの友達の友達の家を暗いうちに出発し、アグラにやってきた。目的は、ムガル帝国の5代目皇帝シャージャハーンが最愛の女性のために作ったお墓「タージマハル」を見物するためである。ギリギリになって予約した電車は安い座...
思ったこと

バーニーさん家で考える豊かな暮らし

高校生の時、「すごくかっこいい先輩がいる」という不純な動機でワンダーフォーゲル部に入った。母にはそんな理由は到底言うはずもなく、その頃ちょうど「山ガール」という言葉が使われ始めた時期だったため、母は「また流行にのって。ミーハーなんだから」と...
Others

本棚

ここでは、このサイトに登場したり関係したりする本や映画を紹介します。ぜひお近くの図書館で探してみてください。又は友達に持っていないか聞いてください。もしも自分で買って読んでみようという場合、このページの本をクリックしてAmazonで購入して...
思ったこと

言葉を学ぶことについて

「さらさは、何ヶ国語もペラペラですごいよな。脳の構造が違うんちゃうか。」どこの国に行っても、誰かに出会って自己紹介をする機会があると、大抵の場合「おー」と歓声が上がる。「賢い」や「多言語の人」レッテルというが貼られる。実際のところ、現時点で...
やってみたこと

3100m、山小屋暮らし

8月だけど、まだ蝉も鳴き始めない、朝4時47分の静かな大磯駅。私は大きなザックを背負って東海道線の始発電車に乗り込んだ。それにしても慌ただしい2週間だったと振り返る。卒論を提出して、4日後には段ボール3箱にほとんどの荷物を詰めて宅急便で実家...
歩いたところ

習近平とブランコ、そして綿あめの罠

「これが首都の空港かぁ。」 ネパールの首都カトマンズの国際空港は、かつて通った小学校の中庭を思い出させる赤茶色のレンガ作りで、こじんまりしており、なんとも可愛らしい空港である。 空港の出口へ向かうと、シベスさんが優しい笑顔で私を出迎えて下さった。
歩いたところ

「本当のキューバを知ってほしいの」

キューバーは今思い出しても、今まで訪れた55カ国の中でも特に特別な場所だった。23歳の冬。メキシコのお盆「死者の日」を過ごしてから数日後、私は1週間のキューバ旅行へ出かけた。いつも通り到着してから様子を見ながら宿など手配しようとしていたが、...