どきどき

歩いたところ

ベルガモ・マラソン

「ドスン」と、鈍い音を立てて、私の50Lのバックパックはツルツルの床に着地した。「すぐ戻ってきますから!」と言って走り去る私の後ろで、「僕をそんなに信頼してくれるの!」と、私に向かって大きい声を出しているのは、制服を綺麗に着こなすイタリア人...
やってみたこと

サラサがサルサ

「目を閉じてごらん。」綺麗なグレーの髭を蓄えた彼は、うろたえる私に優しく言った。サルサをちゃんと踊ってみたいと初めて思い、バルセロナのサルサ・クラブに1人、緊張しながら足を踏み入れた。それまでにも、友達と訪れたクラブで偶然サルサ音楽が1曲か...
やってみたこと

ユリタへ弟子入りヒッチハイク

行き先は、同じ方向かも、と思ってもらえるよう、できるだけ大雑把に書くことどんなに長い旅でも、ずっとエンターテイナーになることその日の寝床や乗り継ぎの車が見つかりやすそうな場所があれば、たとえもうちょっと先まで乗せてもらえるとしても、降ろして...
思ったこと

一人旅安全のしおり

「さらさの日記は面白いけど心配になる」という感想をいただきましたので、そのうちまとめようと考えていた、私流の安全対策をここに記すことします。これはあくまでこれまでの私の経験や誰かに聞いた話に基づく手法であり、「これをすれば絶対安全」ではあり...
歩いたところ

チムジルバンで世界旅行

3月も最終週。年度終わりということもあり、仕事のプロジェクトメンバーとの打ち上げディナーと夜桜見物をしたその足で、赤坂見附に向かう。窓拭き修行をしていた当時、家から1時間ちょっとかけて東京駅の会社へ通っていた。しかし、窓拭きは現場によってそ...
歩いたところ

ピレネー山脈の暮らし

人口5人。街まで、バスで45分。フランスの国境は徒歩10分。オックスフォードで修士号を取得しながら、ピレネー山脈の山の中、スペインとフランスの国境のところに位置する小さな村に2ヶ月ほど、暮らした。村というよりは、スキー場と言ったほうが正しい...
歩いたところ

メキシコ嫁入り修行

船旅で立ち寄った中南米を、またぜひ訪れたいと思い立ったのは、せっかく身に付けたスペイン語を使ってもっと多くの人とコミュニケーションをとってみたいと言う気持ちがあったからだ。バルセロナの留学中に仲良くなった友達のメキシコのファン・カルロスやグ...
歩いたところ

アラブな借り暮らし事件簿

歩くのが大好きな私は、ロンドンに暮らしていたときよくオックスフォード通りを、ホルボルンからソーホーを抜けてハイドパークまで歩いた。東京に例えるなら、恵比寿から渋谷を経由して代々木公園に歩くのと距離的にも、街並み的にも、そんなに遠くない。この...
やってみたこと

3100m、山小屋暮らし

8月だけど、まだ蝉も鳴き始めない、朝4時47分の静かな大磯駅。私は大きなザックを背負って東海道線の始発電車に乗り込んだ。それにしても慌ただしい2週間だったと振り返る。卒論を提出して、4日後には段ボール3箱にほとんどの荷物を詰めて宅急便で実家...
歩いたところ

習近平とブランコ、そして綿あめの罠

「これが首都の空港かぁ。」 ネパールの首都カトマンズの国際空港は、かつて通った小学校の中庭を思い出させる赤茶色のレンガ作りで、こじんまりしており、なんとも可愛らしい空港である。 空港の出口へ向かうと、シベスさんが優しい笑顔で私を出迎えて下さった。