歩いたところ

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ニューヨークのタクシスタ

「ネフェルティティだねぇ。」エジプトが好きな母は私が荷物を開けるとすぐに、金ピカのお皿に描かれた女性の横顔を見てつぶやいた。その日、ニューヨークから荷物が届いたと母から連絡を受け、仕事帰りのその足で、駅から家の間にある母の営む喫茶店を目指し...
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ラマイルチャ!アナンダチャ!

ネパール語で「楽しい!」「気持ちいい!」を意味するこれらの言葉。ガイドのデンディさんに教えてもらってからというもの、ルクラ(2860m)から、カラパタール(5644m)、エベレスト・ベースキャンプ(5364m)まで歩き、山を降りるまでの10日間で、何度叫んだことだろう。
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タージマハルでモンゴルうどん

その日はインドに来て6日目。デリーの友達の友達の家を暗いうちに出発し、アグラにやってきた。目的は、ムガル帝国の5代目皇帝シャージャハーンが最愛の女性のために作ったお墓「タージマハル」を見物するためである。ギリギリになって予約した電車は安い座...
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習近平とブランコ、そして綿あめの罠

「これが首都の空港かぁ。」 ネパールの首都カトマンズの国際空港は、かつて通った小学校の中庭を思い出させる赤茶色のレンガ作りで、こじんまりしており、なんとも可愛らしい空港である。 空港の出口へ向かうと、シベスさんが優しい笑顔で私を出迎えて下さった。
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「本当のキューバを知ってほしいの」

キューバーは今思い出しても、今まで訪れた55カ国の中でも特に特別な場所だった。23歳の冬。メキシコのお盆「死者の日」を過ごしてから数日後、私は1週間のキューバ旅行へ出かけた。いつも通り到着してから様子を見ながら宿など手配しようとしていたが、...
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ニカラグアの新年と怒るマリア

2017年12月30日、私はニカラグアのグラナダから、オメテペ島、又の名をひょっこりひょうたん島、大きな湖に浮かぶ小さな火山島へ移動した。フェリーに乗るのも一悶着あったが、やっとついた島でも島内のバスが遅れ、予定よりかなり遅く到着した真っ暗...
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台灣・フィフティーン

2018年12月28日。時刻は23:10。直空で20:00に出発した成田から、向かった台北へ予定通り時刻に着陸。ここから、翌日14:10のホーチミン行きの飛行機に乗るまでの15時間、いかに食べたいものを計画的に食べるかの真剣勝負が始まる。台...
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モロッコのベルベル村

私はモロッコでは絶対にサハラ砂漠に行こうと決めていた。大好きな星の王子様の、あのサハラ砂漠。20歳になったばかりの、大学2回生の夏休みで、それは私にとって人生初のバックパック海外旅行でもあった。高校生の時スイスへ留学した時の友人やお世話にな...
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エンパナーダ売りのハイメさん

2018年の元旦を迎え、考えていたよりもゆっくり過ごしたニカラグアを去り、隣の国コスタリカへ向かう。コスタリカでの目的は、首都に住む友人の友人、ブライアンを訪ねることのほか特に決めてはいなかったが、ニカラグアで偶然バスに乗り合わせて仲良くな...
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ジャワ島の端っこで

その日私は、16時にマランの駅を出発し、電車に揺られていた。泊まっていた宿で知り合った地元民、ダシムンおじさんと「ラウォン」という、とびっきり美味しい牛の膝小僧のスープを食べた後、一緒に散歩していた町中の公園ではぐれてしまい、かなりのこと探...